大友克洋監督作品 映画=スチームボーイ

早速、観て来ました。「アキラ」「メトロポリス(脚本のみ)」「スプリガン(脚本)」といった作品からは焦燥感しか感じ取ることしか出来ませんでしたが今回は果たして・・・。
結論として、良かったです。満足しました。完成まで苦労が滲み出ているのは映像表現のみではなくて物語も同様でした。
キャラが立っています。主人公=レイとヒロイン=スカーレットの二人が圧倒的に良くて満足しました。物語も大人の視点で突っ走ってしまいそうになるのを拒否して、主人公に選択させるという作りが見事でした。
何というか未来は自分の手で掴めというメッセージが強く打ち出された本作品こそ大友作品の金字塔に相応しいと認識しています。ちなみに映像表現も凄いです。スチーム描写と崩壊の描写は並では無いです。
そうそう。こういった作品こそ十代に見て欲しいと思うのですが、彼らは頑なに本作品を拒否するかも知れません。物語が最後まで綺麗事で作られているからです。
しかし時代の荒波に飲まれてきた大友監督が、次の世代に希望を託すための遺産として作られているのですから,これで構わないのです。
残念な点は、後悔という言葉と共に反省が欠如している辺りかも知れませんが今川泰宏氏では無いのですからこれは致し方ないところでしょうか。
というより歴史は後に誤った方向へと突き進むというのが分かっている分だけ業は深いかもしれません。
http://www.steamboy.net/intro.shtml