韓国映画「箪笥 A TALE OF TWO SISTERS 薔花、紅蓮」其の2

計算されたカメラワーク。卓越した音響デザイン。精錬された美術。日本でも劇場公開するだけのことはあります。
さて内容ですが荒廃した家庭環境が招いた結果をホラー要素で切り取ったという言うべきでしょうか。基本的に病んだ映画です。悲しいけど悲しさが別の方向へ拡散している気もします。
おかげでホラーの要素は弱いというか必要無かったような気もします。韓国の古典怪談が下地だそうですが因果応報というのは分かりやすいと言えばそうなのですが。
最後まで真相が明らかにされませんので掴み所が無いです。おそらくそれさえも計算のうちのようです。ラストのオチを見えばなるほどと思いますが納得いくかどうかは見る者次第といった感じです。
これを新しいタイプの映画と取るか、そうでないとするかで全く評価が変わります。個人的には前者であって欲しいのですが・・・・さて。
あと韓国の家庭制度が分からないので入りづらかったです。儒教とかキリスト教といった宗教が何処まで浸透しているかが判断出来なかったので。これは本作品が「家族」といったテーマを扱っているからです。
はっきりしているのはこの映画で欠けているのは「父親」です。あまりにも受け身で弱すぎます。この家族が壊れたのも、この父親ゆえでは無いでしょうか?だから周りに人がいても孤独なんでしょうね。
これは日本でも韓国でも同じようです。主演の女の子=イム・スジョンは、すごく可愛いです。楽しそうな表情がほとんど無かったのは残念でした。
http://www2.tan-su.jp/home.html
(以下,ネタバレ注意!)
http://bbs.enjoykorea.naver.co.jp/jaction/read.php?id=enjoyjapan_27&nid=39844&work=list&st=&sw=&cp=2