滝沢敏文監督作品 「SAMURAI7」

スカパーでのPPVによる先行放映はかなり先のエピソードまで行っている上にDVDも取りあえず第二話まで発売されているので今回のNHKハイビジョン放映が一番遅い状態になってしまった。
とはいえ制作には,NHKの子会社が参加している上に真ハイビジョン&5.1によるフルスペック放映であることを考えると最後に真打ちが登場したと言うべきなのであろう。
劇場版「伝説巨神イデオン=発動編」の監督。アニメグランプリにも輝いたOVA「クラッシャージョウ 最終兵器アッシュ」の監督。
そして永遠の名作「装甲騎兵ボトムズ」の演出チーフを担当し事実上の監督に近い作業を行っていた滝沢監督の最新作である。
デジタル化された昨今の実情にアナログ世代の監督がどう料理するのか不安もあったが見事な完成度であらゆる雑音を薙ぎ払った痛快作である。
黒澤明監督の名作「七人の侍」(見ていない人は必ず見ろ!)をロボットアニメで復活と聞いたときは耳を疑ったが実際の仕上がりを見て納得した。
安定感のある物語の構成。和の音楽とフルCGによるメカとの融合。方言を採用した台詞。原作同様日本の米文化を敢えて残した設定。そして個性溢れるキャラクター。
全てを取っても一級品だ。
世界観やテーマ自体が滝沢監督の得意分野であることを考えると全26話で構成されているという物語の行く末が楽しみである。