機動戦士ガンダムSEED DESTINY 第六話=世界の終わる時

作品全体を覆うような緊張感が本作の魅力なのだが、本話数にはそれが欠けている。
此処の描写が不足気味で足りない箇所は多々ある。しかしそれさえも力業で強引に描いてしまった印象が強い。
主要場面を均等に描いてしまったために物語が中途半端に見えてしまったのは勿体無い点だ。大量の戦闘シーンが用意されていたにも関わらず盛り上がりに欠けたのは実は理由がある。
三つ巴の状況がそれである。ザフト。その反乱分子。そして地球軍。という図式は物語を分かりづらい方向へと導いている。
前回、様子を見るということで出たはずの強奪された三機が何故、率先してザフト同士の戦闘に参戦しているのか?
そんな中で言えるのは戦うべき敵は「世界を壊す妄執」そのものだと言うことだ。パトリック・ザラを中心とした強行派の亡霊はガンダム世界を象徴する姿であり、それと相反するのがアスランの役割である。
ジンのコクピットの直撃を避ける攻撃をするアスランの戦いは相変わらず健在だ。
更にギリギリまでアスランが待避せずユニウス7の爆砕に最後まで拘わったからこそ、シンがアスランを認める描写を入れてきたのは良。
キラは顔見せ程度なのは結構なのだが、顔のアップのみは残念だった。巧妙にOVA「AFTER-PHASE 星のはざまで」のカットを流用する手際の良さには思わずにやり。