機動戦士ガンダムSEED DESTINY 第08話=ジャンクション

作画関連に難あり。ラクス・クラインの描き方が萌えアニメ調になっており作画の方向性がシリーズと合致していない(作監の鎌田祐輔氏って「ねとらん者THE MOVIE」の人だよね)。
平井氏のキャラクターを描くことが如何に難しいかを改めて知ることとなった。
さて肝心の内容だが,予想通りオーブは太平洋連合へと与することとなる。作劇としてアスランカガリの別れが用意されており、この辺りの描写が個人的に気に入った。
二人の会話から察すると再会は容易に思えるが、実は二人が出会えるのは戦場だと言うことはオープニングやエンディングを見れば分かる事だ。それを考えるとこの描写は痛々しい描写に思えて感慨深い。
物語もオーブという閉ざされた場所に視点を置くことにより、世界が拙速に一つの方向へと流されていくこととなる。これをカガリを通じて間接的に見せる手法も良好である。
見えない形で世界の裏側で暗躍するブルーコスモスの存在。その狭間で連合寄りの動きを見せるオーブ政治家。そして自らの立場で苦しむカガリ。そしてアスラン
前作の主人公であり、その一人であるアスラン・ザラは本作では限りなく主人公状態であり、その複雑な心境は見る側に分かりやすい描写として描かれている。
そんなアスランに手を差し伸べるキラといった直接的な描き方が本作品では用意されている。それが前作との大きな違いである。
DESTINYでは、描写を直接的に描いていく。絵コンテでも脚本でも、それがしっかりと貫かれている。
前作では、分かる人だけ分かれば良いとされていた描写が本作では理解しやすい手法として変換されてFILMにしっかりと描き込まれている。だから見ていて心地よい。
たとえ,これからどんなに苦しい世界が描かれていこうとしてもである。