機動戦士ガンダムSEED DESTINY 第09話=驕れる牙

よくやってくれた!まずこう言いたい。まるでシリーズ終盤のように盛り上がる演出。星界シリーズを思い起こさせる西澤晋氏の絵コンテ。
そして中村プロの密度の高い作画レベル。設定満載の内容を見事に作り上げた森田氏の脚本。
それらが全て絡み合って本話数は作り上げた至高の一作となっている。
さらに裏ラクス・クラインの華やかな登場。そして妹萌え炸裂のマユの笑顔もあって話題満載のエピソードと言っても過言では無い。
穏健派で固められたプラント評議会の面々が初登場するが、議長からし主戦論を否定しているため一見すると最後まで対話路線を貫いているように見える。
だが画面を見ていると最初に戦線を開いているのはプラント側に思えるし、超弩級の空母ゴンドワナまで動かしていることを考えると、戦場では政治の思惑などは反映出来ないのではないかと思えた。
いやそれさえを想定した上で全てのシナリオを書いている存在が別にいるのではないか?
その存在はこの戦いを高みから監視しておりナチュラルとコーディネーターを戦いへと導こうとしている。
そう思えるのは、ラクス2の存在だろうか?それとも如何にも怪しいデュランダル議長の存在ゆえか?
この世界には「誰も知らない秘密」が存在しているように思える。ターンエーがガンダムというシリーズを黒歴史という言葉で統括したように、このDESTINYでは同様の事が行われようとしているように思えるのだ。
コーディネーターの派生をより深く描くための設定が隠されていると考えると第09話にして加速度的に突き進んでいく物語の早さが理解できる。
赤道連盟やらこれからのエピソードを予感させる単語も登場してますます深くなる物語を見て満足する次第である。
スタンピーダーが核攻撃部隊を一掃する描写の凄みに本作品のスタッフの本気度の高さを見た。イザークの叫びや意味ありげな議長の台詞など見所も多い。


ところで最後に遂に登場したラクス2が必要以上に性格が明るいのが気になった。星マークの髪飾りには思わず大笑い。