AIR 第二話 まち〜town〜

脚本:志茂文彦 絵コンテ:山本 寛 演出:山本 寛 作画監督池田和美
ゲームで描かれていた台詞。描写をシンプルかつ淡々と切り取って配置していく手法が印象に残る。
往人。観鈴。佳乃。美凪。メインキャラだけでも四本の軸となる物語を並行的に存在している。さらにはSUMMER篇やAIR篇といった膨大な世界を描くために既存の作品の作り方は放棄されている。
其処には起承転結となる物語が存在しない。あるのは真っ正面から物語を追うのではなく、断片的に世界を切り取っていく方法論である(敢えて言うならば「劇場版ターンエーガンダム=地球光」がそれである)。
美しい背景やゲームそのままの音楽などは、それを引き立てるためのモチーフであり飽くまで添え物である。
「羽」に纏わるエピソードを同時並行的に描いていくことにより、主たるみすずの物語に辿り着くための軌跡そのものである。
片田舎の港町。始まりの場所であり終わりの場所でもある、あの防波堤に座り込む往人と観鈴の二人を見ているだけで感傷に浸ってしまうのはゲームをやり込んだファン故の発言かも知れないが、今回のTVアニメは少なくともこの時点ではよく作り込まれていると感じた。
圧倒的な情報量と練り込まれた構成で作り込まれたゲーム版の一端でもアニメ版で描かれていれば本作品は成功なんかも知れない。
そしてゲームをプレイする気になってくれれば、それでOKな話なのである。その時に気づくであろう。麻枝准氏というクリエイターの存在に・・・・。
http://anime.powerbean.jp/AIR/story/story02.html