TV版AIR 第十一話 うみ〜sea〜

脚本:志茂文彦 絵コンテ:木上 演出:木上 作画監督:門脇
完璧な脚本。完璧な作画。完璧な演出&絵コンテ。終盤に至って高みを目指していくスタッフのこだわりに敬服しました。
これぞ全てのAIRファンが待ち望んでいた世界が実現された瞬間ではないでしょうか。みすず。晴子。橘敬介。わずか三人しか登場しないドラマですが世界は果てしなく広く表現されています。
しかしその物語も閉じられようとしています。
でも其処には悲しみはありません。みすずは本当に必要なものを遂に手に入れようとしているからです。長い、長い、長い旅はようやく終わろうとしています。
旅の終わりには悲しい出来事が待ちかまえています。でも、晴子と一緒にそれを見届けなければなりません。逃げることは許されていません。
何故ならみすずと一緒に此処まで来てしまったからです。だからどんなに辛くても、苦しくてもゴールに辿り着かなければならないのです。私らは共に見届けなければならないのです。
それにしても本話数における演出は素晴らしいの一言です。これまで尺の関係の入れることの出来なかった間のタイミングや光の位置に留意したコンテには思わず頷くことしきりです。
最大の見せ場であるラストの海岸のシーン。みすずが叫ぶ「ママ!」の場面ではもう涙しかありません。流れる「銀色」の音楽がゲーム同様に胸を打ちます。
二人が辿り着いた道程は決して平坦なものではありませんでした。それを知っているだけにみすずと晴子が立ち塞がる障害を越えて本当の親子になったこの場面に感動しました。
http://anime.powerbean.jp/AIR/story/story11.html
(作監の門脇 聡氏のコメント)http://anime.powerbean.jp/AIR/special/special32.html
(演出の三好一郎氏のコメント)http://anime.powerbean.jp/AIR/special/special31.html