機動戦士ガンダムSEED DESTINY 第25話 罪の在処

前回辺りから急激に物語が動き始めた感がある。前作のSEEDも28話から一気に展開が動いたことを考えるとそろそろ本論が始まるのかも知れない。
新オープニングの新作部分が傑出している。無いスケジュールと人材を考え合わすと頑張っている印象を受けた。
遂にベールを脱いだDESTINYとデストロイの勇姿が強い印象を与える(タイトルバックのMSが何故フリーダムなのかという疑問もあるが・・・)。
黒い三連星=ドム。量産型=青グフ。圧倒的な戦闘能力を披露するスーパーフリーダム(!)。下着姿のカガリ(?)。顔に傷を付け復活したアニキなど短いカットながらも見せ場も多い。
DESTINYは、デュランダル議長が戦争を終わらすために投入するとのことだが、フリーダムすら圧倒する驚異的なマシンスペックは必要不可欠なものなのであろうか?
さて、てっきりスルーしてくると思えたレイと研究施設のエピソードが意外にも大半を占めている。レイはレイでも、綾波レイそのままというのは笑える。
作り手の狙いはどうやらそこにあるようで遺伝子の話は今回、SEEDの世界を支える重要なファクターであってスルーする気は無いようである。
ネタ満載ながら脚本がかなりしっかりしていて見ている側を飽きさせない仕掛けが多く用意されている。何と言っても三度、道を分けてしまうアスラン・ザラキラ・ヤマトの描写が出色である。
アスランサイドで物語が描かれていることもあって、彼がザフトに残ってこの状況に立ち向かっていく様に違和感を感じることはない。
会話にもあるように「この状況を混乱させているのはアークエンジェル」の指摘は正しい。だから決してアスランがヘタレに見えないし当然のスタンスであると思えてしまう。
ただキラやカガリと進むべき道が違ってしまうのは辛いのは理解できる。アスランに心の平穏が訪れるのは物語が終わる時点まで無いのかもしれない。
シンとステラ。この二人が互いの素性を知る機会が訪れる。富野ガンダムでは多用された戦闘での衝撃的な「邂逅」というやつである。
こんな時代でなければ別の出会いもあったかもしれないが、時代の荒波が二人を押し流そうとしているのは不幸としか言いようが無い。