機動戦士ガンダムSEED DESTINY 第34話 悪夢

starwind2005-06-11

混迷した状況が長く続いていたため評価しづらかったが前話数から本作品の作りが見えてきた。
ロゴスだけでなく意図的に世界を動かそうとするもっと大きな神の意志が蠢いていることを・・・。
真実は隠され嘘偽りが世界を支配していることを我々はようやく知ろうとしているのだろうか?
誰もが触れ無かったテーマに敢えて挑戦する福田監督以下のスタッフは業が深いとしか言いようが無い。
正直、背筋がぞくぞくしてきた。この展開ならばDESTINYという作品は終盤、大化けするかもしれない。
そう考えれば洗脳された状態で剣を振るうシンの存在はあまりに哀れだ。
己が何も考えずに剣を振るってきた報いだと言われればそれまでだが、これはシンにとって余りにも過酷な物語ではないのか?
「偶然は、運命となる」。それは最初から定められていた事で全てはシナリオ通りに進められる。
チェスに象徴されるように駒は自ら意志を持たず動いてくれればよいのだから・・・。


ステラ・ルーシェが死んだ話数(第32話)と対になっている作りが興味深い。シン・アスカにとって大切なステラの存在。そしてアスラン・ザラにとって無二の親友であるキラ・ヤマト
その両者が共に切り裂かれる事で消えていくこととなるのがそれである。剣を振り続ける限り逃れられない宿命。議長にとってあってはならない存在であるアークエンジェルとフリーダム。
彼らを敢えてザフト軍ではなくてミネルバに討たせようとするデュランダル議長の意志。シンに迷いを抱かせないようにレイ(更にクルーゼ化)による強力なサポートの存在。
それらが相まって実現するシン・アスカキラ・ヤマトの直接対決。相手を討とうとする気が無いキラの行動を事前に予測。対抗する戦術を練ったシンとレイの圧勝である。
持てる能力を駆使する事が出来ないのはキラのフリーダム。そしてマリュー艦長のAAも同じ立場なのは辛い。
ザフト側の意図が読めないためにむやみに攻撃できない描写は巧かった(この辺りの状況は練り込んでいた。ザフト側がAAが直接攻撃を開始するように仕向けた意図を読みとったキラはGJ!)。
いつものビームを撃つ。サーベルを振るうという戦闘とは違い富野的な戦いを繰り広げるシンの戦術(ビールをシールドで反射させる攻撃。パーツの分離等)が記憶に残る。
スケジュールの無い中でハイレベルなメカを披露する作画。そして力負けしない絵コンテもあって見応え満載であった。ラストにおけるアスランの「キラァ!!!!!」の絶叫も印象深い。
(追補)
ドムトルーパークライン派モビルスーツだったのか。以降,燃える展開が期待できそう。
タンホイザーによる爆発なのか。それともフリーダムの爆発なのか分からないがキラは,あの状況でどうやって生き残ったのだろうか?
http://www.gundam-seed-d.net/