スターウォーズ EP3 シスの復讐

泣ける作品となっている。
前三部作に思い入れがあるものならば必ず泣ける。だが思い入れの無い者には大して意味のない作品かもしれない。
旧作に必要以上の思い入れのある筆者にとって本作品の意義は大きい。27年にも及ぶ思いにやっと終止符が打たれたのである。
その意味からするとラストの辺境惑星タトゥーインの真っ赤な夕日は必要以上に泣けるのである。
しかしアナキンがダークサイドに墜ちていく描写は表面的にしか描かれていない。そのため見る側が脳内補完しないと納得できないのは残念だった。
EP2における母親の死で我を忘れたアナキンが暴走する描写に比べると余りにも軽すぎる。
言うならば衝動的に犯罪を犯してしまった少年が困ってしまって,そのままずるずると犯罪を走っていくような状況だろうか。
前宣伝ではアナキンの心の葛藤が描かれているとの評が雑誌やTVでの解説が多かったのだが,この点は嘘である。
思慮深いように見えた議長がシスとして行動し始めた途端に安っぽい演技になるのも鼻に付く。
おそらくSWファンが見たい部分というのは本編ではなくてスピンオフものや外伝のクローン大戦に描かれていたりするので相互補完という面からすれば問題は無いのかもしれない。
EP1からEP3までは,ジョージ・ルーカスが巨万の冨で作り上げた最も高価な自主映画と言えるのではないだろうか?
(追補)アニメ版=クローン大戦を見ているとグリーヴァス将軍の弱さが気になる。あの咳は何だ・・・。