機動戦士ガンダムSEED DESTINY EDITED

正式な話数にカウントされないのだろうか?先週分の予告の音楽からして違っていたのが気にはなる。
さてサイのナレーションによって展開される今回の総集篇だが、その完成度は意外にも高かったと言える。これには大きな理由がある。
本来あるべき姿にきちんと時間配分が見直されて再構成されていたからである。DESTINYの物語を大きな視点から見下ろした際に何があったのかを端的に抜き出す手法がそれである。
前作のスペシャルエディション全三部作でも使われた方法論である。それが今回、見事なまでに効果的に働いたと言える。
何が良いのかと言えば第一部と言うべきエピソードに当たるカオス・ガイア・アビスの三体のガンダム強奪がばっさり切ったことである。
この場面インパルスやミネルバの初登場シーンもあって重要かと思うかも知れないが実はそんなことはない。
それは状況を延々と書き連ねているだけで本編においてブルーコスモス側にガンダム三機が渡ったという説明。そして主要キャラクターの紹介があるだけである。
政治的。そして地球規模での視点に立てば明らかにDESTINYの物語はユニウス7の落下から始まっているのである。一パイロットであるシン・アスカアスラン・ザラの存在などは些細なことである。
シンの存在が注目され取り上げられるのは、目覚めた能力で大西洋連邦艦隊を次々と撃破していった事実であり、それは微妙な位置にあって苦しんでいるアスランの存在を既に凌駕している。
それに対してキラが取ったカガリの拉致という行動は政治的にも大きな事件であり、そういった地球規模の視点で捉えたエピソードのみで構成された本話数は正にEDITEDそのものであると認識した。
本編と違った時間配分で再構成された本話数を見て作り手が何を作りたいのかを理解した。
福田監督以下スタッフは、前作で描かれたような個人の想いでは無く戦争へと至るまで混迷のプロセスを描き出そうとしていることに。