AIR 第四話 はね〜plume〜

脚本:志茂文彦 絵コンテ:北之原孝将 演出:北之原孝将 作画監督:米田光良
佳乃篇の最終章。元々ゲームにおいても佳乃と聖の物語は、往人が観鈴を選択しなかった場合の可能性であるからハッピーエンドへと突き進む物語となっている。
ゲームのテキストは膨大な情報量が存在しておりアニメ化の際に新たに加わる箇所などあるわけないと思っていたが意外にそうでもない。
ラストで見送るのはバンダナでは無かったりするが、これは些細なことである。要は、羽に纏わるエピソードを織り込めれば成功と言えるからである。
こってりした他のシナリオと違い佳乃篇は、観鈴篇と対になる物語であり悲壮感はあまり感じない。これは佳乃自身に自分が不幸だといった思いが存在していないことに起因している。
本来、この状況を危惧して何とかしたいと願っているのは母親であり姉である聖その人である。アニメでも、その基本部分は変更されていない。
流石に尺の関係からか描き込むまではいかないがそこそこ描かれてはいる。
全体的にどうかと言われればAIRをプレイしている者には思い入れが深くて「佳乃と母親」の会話場面では思わず涙する名シーンとして挙げられる。
しかしながらアニメで初めてAIRに触れた方には正直オススメできない。
本話数は情報量からして膨大であるが他話数と違って違って力業で押し切ろうという強引さが何故か感じられなかった。それが画面の後ろ側に存在する裏設定を感じさせるまでに至らなかったからである。
だが作り手を責めることは出来ない。美凪と神奈。そして観鈴という名シナリオが続く展開を考えれば彼らに用意された時間(制作スケジュールと実際の尺)は余りにも苦しいことは予想付くからである。
http://anime.powerbean.jp/AIR/story/story04.html