サスペリア・テルザ -最後の魔女-

やっと見た。一作目のサスペリアから何年が経過したのかはもう定かではない。遙か昔の話だ。続編のインフェルノを映画=キャリーとの同時上映で劇場で見たのも懐かしい限りだ。
今回の最終章はダリオ・アルジェント監督作品ならではのスタイリッシュなカメラワーク。独特の色彩感覚。そしてパワーで責め立てるゴブリンの音楽はすっかり影を潜めゴシックホラーに徹する作品へと移行を遂げていた。
ローマの博物館の描写などに往年の演出手法の健在を確認すると同時に、CG処理を使用した新たな表現場面が作品と全く融合していない辺りにアンバランスさを感じてしまう。
オーメンを連想させる冒頭の発掘シーン。妙な日本語を用いる魔女の登場。美貌の持ち主には思えない上に凄みに欠ける三人目の魔女=マーテル・ラクリマルムなど、どうにかならなかったのかと突っ込みたくなる。
ラストの呆気なさはシリーズ全作品で貫かれているお約束ごと。ローマで多発する災厄の描写が余りに直球過ぎて安っぽさ全開だがこれもまたアルジェント作品の良さかもしれない。
復活した魔女の魔力は、世界に災厄と死を撒き散らしその歩みを止めようとしているという描写を敢えてサバトに代表されるように古くさい表現で描くことに何処まで意味があったのかを筆者は知る術は持たない。
オーディオコメンタリー付きでも少し鑑賞したがアルジェントファンは大体同じコメントになりがちなので途中で観るのを止めてしまったが資料にはなる。

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