リトルバスターズ!エクスタシー 三枝 葉留佳

力作でした。既にkeyの作品の範疇を越えてしまった感がありますがここまで作り込めば納得です。
存在すら否定され何処にも居場所が無かった三枝葉留佳
彼女は「自分は悪くない。悪いのは世界の方だ!」と嘯き、その矛先を双子の姉へと向け全てを壊そうとする。
妹を守るために自分に嘘を付き、世界に嘘を付き続けた二木佳奈多
その激しいまでの思いは妹の葉留佳を徹底的に排除することによって成立するという辛いものだった。
誰が悪かったと言うのか?誰を憎めば良かったのか?
誰もが幸せであることを望み信じていたはずなのに、それなのに!業の深い物語が展開され見る者を引きずり込んでいく。
二人の姉妹の擦れ違っていった物語は終盤、急速に収縮していく。
その結末は綺麗すぎながらも見事に収まりよく纏まった感が強く、職人芸ぶりを見た思いだ。
バッドエンディングの流れが巧妙で仕掛けも面白い。